09年の俳句

  

ここでは今までむつきの会の会員が

句会で作った俳句を載せます。

2009年の作品です。

 

  

句会は互選で行います。この際、自分の作品は選ばない、というのがルールです。

作者の名前ごとに作品が並んでいます。

作品の隣にある文字はその作品を選んでくれた人の頭文字です。

○は特選句(5句の中で一番いいと思った句)です。

 

 

 

 

 

 

09年12月6日定例句会

参加者、たかゆきらいなす、あきこ(選句のみ)、さとう
欠席投句、ゆうこ

たかゆき
言い難きこと話す夜やおでんにも あ
鯛焼きや妻の好みを考へし ら
年の瀬や掃除機走る畳上 さ

らいなす
願い事ひとつ持ちこす年の暮 ◎あ
霜を踏む無邪気な背中触れたくて ◎た ◎さ
師走かなカップ酒ほど売れてゆく さ

さとう
子供用毛布の上司年の暮 ◎ら
身ぐるみを剥がされしごと銀杏落つ ら、た
冬の蚊のさまよう男子更衣室 た

ゆうこ
寄せ鍋や帰省するのは二年ぶり
風邪気味の母に電話し師走かな
年の暮れ手荒れ気になる頃となり
霜踏みて別れ話を切り出しぬ
半額になりてより買う冬帽子

 

 

 

 

 

むつきの会定例句会 09.7.12(日)神田ルノアール
参加者:ゆうこたかゆきらいなすさとう

ゆうこ
たっぷりとひと日を生きて髪洗ふ ○た、○ら
夏帽子つばを横切る樹影(じゅえい)かな さ

たかゆき
花嫁の汗ばむところ拭きにけり ○さ
夏衣運ぶや白き新幹線 ら
手のひらの櫛を数えり髪洗う ら
羅(うすもの)の着るは好みど風邪引きぬ さ
洗い髪寝息とともに休まりぬ ゆ

らいなす
髪洗う逢瀬のたびに長くなり ○ゆ、た
いさぎよく飲み干す君と夕涼み さ
君のよな朝顔鉢を抱えゆく さ
朝顔市車掌の声も弾みけり た

さとう
デコ広くなった気がする髪洗う ゆ、ら
運勢はいつから落ち目ソーダ水 ゆ、ら
文月やまた履歴書を書き損ず ゆ、た
網の目の広がっている扇風機 た

 

 

 

 

 

09年6月14日(日)本土寺吟行

 

まちこ

紫陽花を両手にそっと載せてみる  さ
紫陽花を一花ずつ分け吾子の手や  さ
紫陽花は吾子の王子チューをする  ○ゆ

さとう
紫陽花や夫(つま)はてぶらの老夫婦  ま・ゆ
ぶつかってかとは尻っぽを振り続け   ま
紫陽花を背に永遠の愛誓う       ゆ

ゆうこ
石段を下れば溢るる四ひらかな  ○ま
紫陽花に埋もれて携帯かけており ○さ

 

 

 

 

 

09年5月17日 むつきの会定例句会 神田ルノアール
参加者:ゆうこたかゆきさとうあけみ(欠席投句)
(五句投句、三句選句で実施)

ゆうこ
美術館人溢れいて立夏かな ○た
買い手なき新しき家に燕の巣 さ
武者人形男ばかりの三兄弟 た
新茶汲む密かに省く話あり さ

あけみ
若葉風地図持つふたり囲みけり ○さ、○ゆ
若葉萌ゆ茶室の障子動きけり た
母の日にお土産お菓子持たされて ゆ

さとう
増えゆくは蔵書ばかりか夏近し ゆ

 

 

 

 

 

09年3月28日目黒川吟行

参加者 ゆうこたかゆきさとう(五句投句、三句選句)

ゆうこ
濁れども桜映せり目黒川 ○さ、た
川沿いに立てた自転車花曇 さ
初桜背後に赤子の写真撮る さ

たかゆき
膝元に団子置きたり春日さす ゆ
旅籠屋の桜愛でたる女稚児 ゆ

さとう
マスクして二頭の犬にひきずられ ○ゆ、た
初花や追いかけあうは子供たち ○た

 

 

 

 

 

定例句会 09.2.1 神田ルノアール
参加者 ゆうこたかゆきさとうゆきえ(欠席投句)

ゆうこ
化粧水ゆっくりつけて湯冷めかな ○さ、
手鏡に映っておりぬ冬の空 さ
玄関に万両飾る客はなし た
冬の空飛行機雲がよく似合う た

たかゆき
湯冷めしやパソコンウィルス消えぬまま ゆう
冬の空引越し後に見上げたり さ

ゆきえ
万両やいくつかありし願ひ事 ゆう、さ、た
深呼吸して踏み出しぬ深雪晴 た
キャラメルの甘さしみじみ冬の空 さ

さとう
いつまでもひとりでありし湯冷めかな ○た
冬の空信号無視のふたりかな ○ゆう
小言など言いたくはない冬の空 ゆう
冬きたるモーターボートの船首浮く ゆう