03年の俳句
ここでは今までむつきの会の会員が
句会で作った俳句を載せます。
2003年の作品です。
句会は互選で行います。この際、自分の作品は選ばない、というのがルールです。
作者の名前ごとに作品が並んでいます。
作品の隣にある文字はその作品を選んでくれた人の頭文字です。
○は特選句(5句の中で一番いいと思った句)です。
03年12月17日定例句会
参加者:あけみ、らいなす、まさよし、まちこ、ゆきえ
選句のみで参加:さとう、たかゆき
あけみ
ストーブの炎に心ほどけゆく ○まち、まさ、ゆ
行く人の肩がなごんで冬ぬくし ○ゆ、まさ、さ
父と子の歌声響く柚子湯かな ら、まさ、たか、ゆ
らいなす
ストーブに近い席欲し三学期 ゆ、さ
おでん屋台辛子がしみて笑い泣き あ
ストーブを囲む手ポッポと紅くなり た
まちこ
暖炉燃ゆ猫をまたいで往復す ○ら、あ、さ
時計見て暖炉の前で上着着る ○さ、ら
北風にイルミネーション滲みをり た、さ
ポインセチア一番に吾を迎えをり た
クリスマス籠いっぱいの飾りつけ ゆ
ゆきえ
太陽のこぼれてをりし蜜柑山 ○あ、ま
足元に吹き寄せて来し落葉かな まさ、まち
肌異に祈る聖夜の仄明かり ○た、あ
背のびして日向を選び蜜柑狩 あ、ら
手をかざし頬ほてりては暖炉かな まち
03年11月23日 関口芭蕉庵吟行
参加者:たかゆき、ゆきえ、さとう、ともや、あけみ
たかゆき
一瞥の猫振り向かず落葉道 ○ゆ、さ
失敗も成功もあり散り公孫樹 さ、と
池の葉をふりわけをしの背は萌えり ゆ
湧水や黄落の道潜りぬけ と
ゆきえ
石段の窪みの丸み冬ひざし ○と、さ、あ
朴落葉してそのかさを見上げゐし ○あ
極まりぬ紅葉を拾い集めたし た
吹き溜まりまで日の差さず冬の池 と
鴨の引く水尾は暫し残りけり あ
さとう
萩枯れて葉のまるまりてをりにけり ゆ
マフラーをどかと鞄に入れにけり と
子の手には石たくさんの七五三 あ
ともや
猫の背の丸み並べて山眠る ○さ、た、ゆ、あ
一葉忌山には紅き帯地あり ○た
幼子の握り拳や冬はじめ ゆ、さ
白き日の崩落のごと紅葉散る た
あけみ
日当たりて炎(ほむら)燃えたつ櫨紅葉 た
03年8月30日定例句会
参加者:あけみ、たかゆき、まさこ
あけみ
思い出は美しいまま花芙蓉 ま、た
到着を告げるか門火燃え上がる ま
ひまわりに見られてをりし夜の道 た
たかゆき
見慣れたる路地長く見え夏の蝉 ま
行きかふは都市の風景花芙蓉 ま
沙羅の花新しき朝歓迎す ま
恋成就せぬもまた梔子の花 ○あ
向日葵やゴッホに色をせがまんとす あ
まさこ
炎天を知らず残業続きかな ○た
夾竹桃友の父逝く不義理する た
長瀞の渓流涼し雑魚寝する た
2003年7月13日靖国神社みたままつり吟行
参加者:まちこ、まさこ、たかゆき、ゆきえ
まちこ
虎が雨 御魂まつり灯がともる まさ
車椅子 靖国へ祈る 梅雨の空 まさ
色褪せた 金魚も泳ぐ 露店かな まさ、ゆ、た
靖国に 若き声放つ 夏祭り ゆ、あ
まさこ
ぷっくらとした手が踊る金魚つり あ
精灯の流れにのらず遠花火 あ、まち、ゆ、た
靖国の地に今昔夏の雨 あ、まち、ゆ、た
たかゆき
夏燈篭流れずにいる堀の上 ゆ
ゆきえ
燈籠を流すや小雨しきりなる まち
流燈のひとつふたつと寄り添いし まち、まさ
流燈や水面にみたまうつしつつ あ、まち、まさ、た