01年の俳句

ここでは今までむつきの会の会員が

句会で作った俳句を載せます。

2001年の作品です。

 

むつきの会が結成されて初めての年の作品です。

懐かしさもありますね。 

    

句会は互選で行います。この際、自分の作品は選ばない、というのがルールです。

作者の名前ごとに作品が並んでいます。

作品の隣にある文字はその作品を選んでくれた人の頭文字です。 

○は特選句(5句の中で一番いいと思った句)です。

 

 

 

 

01年4月14日定例句会

 

参加者:まさこあらいけんじまさよしたかゆきゆきえさとうひろみまちこ

 

あらい

日なたにてなづな見つけて草遊び まさ

草陰にすみれ花咲き虫集う さ

 

けんじ

ほろほろと崩れて春の砂の山 ○ひ

花の夜の過ぐる人みなうつくしき ら、さ、ひ

村一つ沈めし湖(うみ)や鳥雲に まさ、た

山を出て山へふぶける桜かな ゆ

 

まさよし

春深し日の差す緑のさらに増し ら、まち

春宵や別れし友を数かぞへ まさ、た

 

たかゆき

風吹いて花びら散るをただ見てり ○まち

草の丘離れて消えぬ一花弁 ○ゆ

寝静まる闇夜流るる春の川 ら、まさ、ゆ、まち

桃色の筋隠したる桜かな さ、ひ

 

ゆきえ

風受けて永久と思える落花かな さ

散る桜過去も未来も消えおりぬ まさ

散り残る外人墓地や春の果 まさ

 

さとう

春の海犬また一歩後ずさり ○た、まさ、まち

葉牡丹の茎の確かに太きかな ひ

桜しべ落ちて就職をあきらめり

 

ひろみ

たましいのうるむ月なり花こぶし ○まさ、○さ

桜咲く今日からバカになるわたし ○け、まさ

吠えたくて緋寒桜の闇にいる け

芝焼いておぼるるばかり火の匂い た

 

まちこ

大木の夜桜眺め時空越ゆ ○まさ、け、まち、ゆ

桜見る隣で君は何思う ○ら、ゆ

春うらら老猫なでて添い寝する け、た、ひ

手をつなぐ力ゆるやか春来たる け

 

 

 

 

 

01年2月7日定例句会

参加者:けんじまちこさとうまさこゆきえ

あらいおうひろみらいなすまさよしたかゆき

 

けんじ

バレンタインデー銀色に恋一粒を ○ら、た

待つ人へ歩みたしかに春一番 お、まさよし

春一番人それぞれの明日かな あ

逢いたいと告げて出てゆき春一番 ら

雪の日の何ごともなく過ぎにけり ○ゆ、た

 

まちこ

凍てついた恋を溶かせよ春一番 お。まさよし

 

さとう

スカートの見えた見えない春一番 ○お、○まさこ、た

UFOの気配感ずる冬日かな まさこ

残る雪地と離せり霜柱 ひ

 

まさこ

義理チョコの意外に高きものにつき さ

 

ゆきえ

春一番辺りの音を消しおりぬ ○まさよし、さ、ひ、た

梅が香にバス一台を逃がしけり あ、け、まちこ、まさこ

公園のバレンタインデー暮れそめし あ

再開を願う心や梅ひらく あ

急行の乗客まばら冬野行く まち、まさ、さ

 

あらい

チョコレート鞄忍ばす女学生 まさよし

ふくれゆく梅のつぼみと片思い まさよし、ゆ

 

おう

道辿り挫ける人生春迎え ○あ、ら

陽春に帰心矢の如し故郷よ け

春の風私の旅路伴うや ひ

 

ひろみ

ずる休みしたき空なり春の雲 あ

板干瀬に春一番の浪立てり ゆ

石薄打ち上げて通りし春一番 ゆ

爪といで春一番に真向かいぬ ○た

 

らいなす

義理というチョコに隠した「好き」があり ○まちこ、まさこ、け

手をつなごう二人の始まりバレンタイン け

好きと告ぐ決戦の2月14日 ○け

バレンタインチョコ隠す手がかじかんで まちこ

 

まさよし

春一番素足子供の音軽き ○さ、○ひ

JAZZ流れる熱き二人やチョコとけて ら

 

たかゆき

寒林に罪を問われし石の道 まちこ、ゆ、さ

大寒にささくれていく喉熱し ら

貼り紙の強き筆跡寒復習 お

振り向いてそれとわかりし春一番 ひ

 

 

 

 

 

01年1月10日定例句会

参加者:まさこらいなすあらいけんじまさよし

たかゆきゆきえさとうひろみまちこ  見学おう

 

まさこ

掃き出した落葉のあとのぬれており ○ひ

年賀状昔の友に似た子達 ら

白菜を洗うて細し母の老い た

 

らいなす

白菜の芯も無駄なく給料前 あ、た

4分の1買う白菜で二人鍋 け、まさよし、ひ、まちこ

 

あらい

雪溶けて街路樹潤む大通り まさこ、た、ゆ

 

けんじ

江の島をことほぐごとく初怒涛 ○まさこ

白菜を割って緑の宇宙かな ○まさよし

 

まさよし

年明くる時の止まりしオフィス街 ら

白菜の鍋に残りし白さかな さ

新年の手帳をめくりし仕事かな まちこ

 

たかゆき

門松や懐かしき人待っており ○さ、あ、まさよし

目標を立てて眠るやお正月 まさこ、ら、ゆ

白菜のごとくまるめるわが手かな まさこ

越えられぬ生命もあり元旦草 さ

 

ゆきえ

故郷より君初雪と帰りけり ○け、た

白菜の忙しく買われておりにけり ○まちこ、け、さ、ひ

山襞に光届きぬ年明ける け、さ

太陽の市低くして冬の朝 ひ、まちこ

 

さとう

水鳥の声のとがりし寒さかな ○ゆ、まさこ、け

元旦や仕事場ひとり留守の番 あ

正月や10分遅れのバス待てり まさよし、ゆ

鳥かごの小鳥の声や冬の朝 ひ

 

ひろみ

風花の風の行くえに闇が舞う ○あ

何ごともなくて湯気立つ誕生日 あ

雲間よりあふれ音なく新世紀 まちこ

 

まちこ

新世紀挨さつ始め携帯メール ○ら

味浸みた白菜だけの鍋となり ○た、まさよし

帰省して馴じみの味のお雑煮や ら

新世紀自然に祈る初日の出 ゆ

 

 

 

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