10年の作品

ここではむつきの会の会員が

句会で作った俳句を載せます。

2010年の作品です。

 

  

句会は互選で行います。この際、自分の作品は選ばない、というのがルールです。

作者の名前ごとに作品が並んでいます。

作品の隣にある文字はその作品を選んでくれた人の頭文字です。

○は特選句(5句の中で一番いいと思った句)です。

 

 

 

 

 

2010年11月20日(土)むつきの会定例句会
参加者:ゆうこわたなべ、さとう
(5句投句3句選)

ゆうこ
立冬や二分遅れのバスを待ち 〇さ、わ
憂きことを暫し忘れる夕焼かな さ
君からの電話待つ間の愁思かな わ

わたなべ
冬の夜湯飲みで茶飲み口緩み さ
履歴書用写真強張る寒さかな ゆ

さとう
紅葉や熊に注意の立て看板 〇ゆ、〇わ
北風や上司の目線窓の外 ゆ

 

 

 

 

 

10年10月23日(土)むつきの会吟行 目黒自然教育園
参加者ゆうこ、わたなべ、ひろた、さとう

ゆうこ
雑踏に蜜柑の香る目黒駅 ◎さ、わ
紅葉を待てる楓の陽に透ける さ、ひ
金髪がベビーカー押す秋の森 わ

わたなべ
秋風や虫と契るしろよめな ゆ
青い蝶光る水にて入る身かな ひ
秋の日に老女も化粧ふはっぱ色 ゆ

 


さとう
天高し子が押してゆく乳母車 ◎ゆ、◎ひ
口つけて水飲む子供秋の風 ゆ、わ
秋風に聞こえ続けるカラスかな ゆ、ひ
とんぼうの御霊のごとく漂えり ひ

 

ひろた
暗き路ふいに刺される秋の蚊よ ◎わ、さ
日射し浴び染まるのを待つ草紅葉 さ、わ
秋あわれ土に還りし巨木かな さ

 

 

 

 

 

10年6月14日むつきの会吟行 舎人公園
参加者 ゆうこわたなべさとう
(5句投句3句選)

ゆうこ
色のなき菖蒲園にて花探す ◎さ、◎わ
緑陰にTATOO(タトゥ)のおっさん缶ビール さ
新緑に全裸で走る幼児かな わ

わたなべ
水遊び親の声にも耳貸さず さ

さとう
噴水の高まりて子等散り散りに ◎ゆ
蒙古班見せつけている裸の子 な
裸の子肌着はがされがに股に ゆ
噴水に跨っている女の子 ゆ

 

 

 

 

 

10年2月13日 むつきの会 羽根木公園吟行

参加者 たかゆきわたなべさとう
(5句投句3句選)

たかゆき
模擬店の掛け声寒の雨をつく ◎さ、わ
霙きく日本を去る身惜しんでは さ、わ

わたなべ
梅の下厨で白く染める手よ ◎た
梅の花烏の羽で映える白 さ

さとう
梅咲いて老人会のあから顔 ◎わ
先行くも立ちて止まるも梅見かな た
人を呼ぶ放送のあり雪降れり た

 

 

 

 

 

10.1.17むつきの会定例句会 神田ルノアール
兼題 初湯、初詣
参加者 ゆうこらいなすたかゆきさとう
欠席投句 あけみ

ゆうこ
冬の波どたんどたんと浜を噛む 〇た、ら、
風邪薬探す夜更けの厨(くりや)かな 〇さ
ダンボール一箱の蜜柑持て余す さ、た
夕食を作りたくない大みそか さ

らいなす
薄紅をひく背に凛と寒さあり さ、ゆ
初詣抱きし吾子で暖を取る ゆ
雪の宿退路絶たれし恋路かな た

たかゆき
買初にかぼちゃ良し悪し教われし 〇ゆ
山の端の神輝いて初詣 さ
富士山の絵が欲しくなり初湯殿 ら
割引に妻も喜ぶ初湯かな ゆ

さとう
凧落ちてぺたりと座る子供かな 〇ら
触ってと言われドッキリ懐炉かな ら
初詣願いは一つだけでいい ら、ゆ

あけみ
狭くとも我が家の初湯温かし た
星冴えて十を数えし帰り道 た